【芸能】声優・俳優として活躍する佐藤祐吾、舞台「鬼滅の刃」は「役者人生においてすごくスキルアップになった」
10月上演の「青山オペレッタ THE STAGE 〜ストーリア・パラッレーラ・ウノ〜」、11月より上演される舞台「鬼滅の刃」其ノ肆 遊郭潜入など、注目作への出演を控える佐藤祐吾。
現在発表されているだけでも2023年の出演作は7本と、立て続けに舞台へ出演している。そんなバイタリティーあふれる佐藤に、芸能界を目指したキッカケやターニングポイントなど、俳優としての自身について聞いた。
■声優を目指し芸能界入り。舞台の仕事は「自分でも意外でした」
――佐藤さんは声優の専門学校に通いながら、現在の事務所が運営する養成所にもWスクールで通うなど、芸能界に入るというビジョンを明確に描いていたように感じます。
佐藤:そうですね。僕は小学生の頃からゲーム「メタルギアソリッド」が好きで、その主人公を務める声優・大塚明夫さんに憧れて声優を目指しました。高校を卒業したあとに声優の専門学校に入って、1年生のときに今の事務所に声をかけてもらったんです。
でも、専門学校を卒業してから養成所に入るのでは遅くなってしまうと思い、Wスクールとして養成所にも通い始めました。
――声優として活動しながら、現在は舞台俳優として数々の人気作にも出演されています。
佐藤:専門学校での授業の中にはダンスもあったのですが、やってみたらすごく楽しくて興味を持つようになりました。養成所の1年生のときにミュージカル『テニスの王子様』のオーディションがあって、たくさんダンスができるということで挑戦してみたら合格して。そこから舞台の仕事をメインでやるようになったのは、正直、自分でも意外でしたね。
――10月に上演される「青山オペレッタ」は、初挑戦の役柄とのことですね。
佐藤:“青オペ”は男性だけで構成された歌劇団を舞台としていて、劇中劇ではベネラと呼ばれる男性が女性の役を演じるんです。僕が演じる椿理玖(つばき・りく)は、まさにその女役で。線の細い中性的な役を演じるのは初めてですし、僕は声もどちらかというと低い方なので、キャラクターを見たときは「この役を自分が?」と思ったぐらいでした。
――舞台では声だけで演じるのとはまた違い、動き方ひとつでも表現をしていかないといけないのかなと。
佐藤:そうですね。幸いにも、僕はジャズダンスの経験があるので、その経験は生かしていきたいと思っています。ジャズダンスは指先にまで意識を向けたり、体のしなやかさを見せるのが特徴でもあるので。あと今は、女性のような動き方に見えるようにと日常から少し歩き方を変えてみたり、体のラインをキレイにするためにダイエットをしたりしています。
ただ、“青オペ”のあとは舞台「鬼滅の刃」で嘴平伊之助を演じるので、痩せたところから筋肉をつけていくのがなかなか大変そうだなと(笑)。でも、次の“鬼滅”では伊之助が女装をするシーンがあるので、“青オペ”での経験を生かしていきたいですね。
■劇団鹿殺しへの出演で「芝居の楽しさを知りました」
――今お話が出た、舞台「鬼滅の刃」は11月から新作が上演されますね。4作目となりますが、役の解釈など、公演を重ねるごとに自分の中で変化はありましたか?
佐藤:伊之助は猪突(ちょとつ)猛進で、考えるより先に行動するキャラクター。すごく理解しやすい性格なので、初演からずっと難しく考えずにストレートに演じています。あと、“鬼滅”の演出をやられている末満健一さんの演出方法や考え方が、個人的にはとても勉強になっているなと思うんです。
――具体的にはどういうところが?
佐藤:末満さんはすごく細かく演出をつけてくださるので、それを経験して吸収できたのは役者人生においてすごくスキルアップになったと感じていますし、“鬼滅”をやる前後では演じ方がだいぶ変わったと思います。
末満さんは絶対に妥協をしない方なので、役者からするとめちゃくちゃ厳しい方に見えると思うんですが、言っていることは全部正しくて、ふに落ちますし、僕もそうですが、若手の子でも短期間で一気に成長することができる現場だと感じています。
――では、これまでの俳優としての活動の中で、ご自身のターニングポイントになったと感じる出来事を教えてください。
佐藤:“テニミュ”が終わったあとに、劇団鹿殺しさんの「パレード旅団」という演目に出演させてもらったんですけど、そこで初めてストレート作品をやらせてもらいました。キャスト数も少なかったのでずっと舞台上にいて、そこで芝居の楽しさを知ることができました。
――“テニミュ”のときは、楽しいと感じるところまではいかなかったのでしょうか?
佐藤:“テニミュ”は芝居というよりかは、体を動かすのが楽しいという感覚でしたね。とにかくせりふを覚えて、ラリーの球のタイミングを覚えて、カウントがきたらせりふを言ってという感じで。ストレート作品はせりふの間も自分で考えて作り上げていくので、それが大きな経験となったのはもちろん、他のキャストさん方の掛け合いを目の前で見て勉強できたというのはいい経験でした。
■影響を受けた俳優は柿澤勇人「俳優としての生きざまを感じた」
――これまでに特に影響を受けた俳優さんはいますか?
佐藤:共演はしたことがないのですが、僕が個人的に好きな俳優さんは「デスノート The Musical」などにご出演されている柿澤勇人さん。芝居の仕方や歌声がとても好きなんです。
僕が観に行った公演で上演中にけがをしてしまったそうなんですが、それを隠して主演として2時間半ずっと舞台に立っていて、公演を止めずにやりきったんです。そんな姿を見てめちゃくちゃカッコいいなと思いましたし、柿澤さんの俳優としての生きざまのようなものを感じました。
――では、ご自分の中で俳優としての課題だと感じていることはなんでしょう?
佐藤:やっぱり歌ですね。最近はどの作品でも歌は必須ですし、俳優仲間の廣野凌大のように自分の世界観を持って歌うことができたら絶対楽しいだろうなと思います。役者において歌はひとつの武器になるとも思うので、自身のスキルアップのためにも、30代、40代になっても呼ばれる役者になるためにも、歌だけではなくすべてにおいて底上げをしていきたいです。
「この人がいれば問題ない」と思ってもらえるようなポジションになりたいですし、そうなることで役者人生の寿命も伸びると思うんです。だから、苦手な分野をなくして全部ブラッシュアップしていくことが大事かなと考えています。
――声優業、俳優業、そしてYouTubeやイラストまでなんでもこなされていて、さらに苦手だと感じている歌への向上心もお持ちの佐藤さんですが、どうしてもこれだけはできないというものは特にないのでしょうか?
佐藤:テレビドラマなどの映像の仕事や写真集など、自分が全面に出る仕事というのは今後もあまり考えてはいないですね。写真に関してはコンセプトや世界観がはっきり決まっていれば、それを演じることはできるんですけど、素の自分を見せるというのはあまり得意ではないです。
でも、苦手だとしても、今回のように僕自身の写真を撮っていただくことでファンの方が喜んでくださることも理解しているので、今後も頑張って挑戦していきたいとは思っています。
――最後に、次々と舞台に出演されて忙しいと思いますが、そんな毎日の中でのリフレッシュ方法を教えてください。
佐藤:YouTubeもやっているので、夜に空いた時間があるとすぐ生配信しちゃうんです。仕事とは思っていなくて、完全にプライベート感覚でやっていて(笑)。配信をして聞いてくれる人がいるというのが役者ならではの強みだとも思うし、喋ることも好きなので、ファンの皆さんと交流する時間が僕にとっての癒やしの時間ですね。
<このニュースへのネットの反応>