今想えば、『カローラ』との販売対決が懐かしい!「日産サニー」を今一度振り返ってみた
この記事をまとめると
■かつて日産にはトヨタ・カローラのライバルとして「サニー」が存在していた
公募によって名づけられた車名は「サニー」
いまではその名前は新車のラインアップから消えて久しいが、過去にはトヨタ・カローラと熾烈な販売競争を繰り広げたモデル。それが日産サニーだった。
1966年4月に販売をスタートさせた初代モデルは、前年末からティザーキャンペーンを展開し、同時に車名の公募をスタート。翌年2月に公募されたなかからサニーの名前を決定するという大々的なものとなっていた。
当初は2ドアセダンのみのラインアップだったが、翌年4月に4ドアセダンを設定したほか、フロアシフトの4速MTを備えたスポーツグレードも設定し、早くもモータースポーツの世界にも参戦をスタートさせる。
そんなサニーのスポーツイメージを加速させたのは1970年に登場した2代目モデルだ。スポーティなスタイルをまとった2ドアクーペはツーリングカーレースのベース車としても知られており、TSフェンダーと称されるオーバーフェンダーを備えたスタイルはいま見てもスポーティかつスタイリッシュなものとなっている。
また、搭載される1.2リッターのA12型エンジンはチューニングノウハウも豊富で、OHVという旧式でありながら、1万回転を許容するほどのハイチューンにも対応しており、2代目サニーをベースに1994年まで継続販売されていたサニートラックにも同様のエンジンが搭載され続けていたため、長く人気となっていたのだった。
1977年に登場した4代目モデルは、サニーとしては最後のFRモデルであり、こちらもモータースポーツで大活躍を見せた世代だが、注目すべきは1979年1月に追加された「サニーカリフォルニア」だ。
これはまだステーションワゴンがライトバンの派生車種程度の認識しかなかった時代に生まれたレジャー志向のステーションワゴンとなっており、ボディサイドに貼られたウッドパネル風デカールも人気となったのだった。
日本では途絶えてしまったサニーの血筋
5代目は1981年10月に登場するが、ここでサニーはFRからFFへと大きく舵を切る。これはカローラに先駆けてのもので、エンジンもOHVからSOHCに、車検証上の車名もダットサンからニッサンへとさまざまな部分が一新されたモデルとなっていた。
前輪駆動モデルとなったことで、スポーティなイメージはやや下火となったサニーだったが、6代目ではモータースポーツベースの「VR(Version Rallyの略と言われる)」や7代目では国内サニー史上初となる1.8リッターエンジンを搭載する「1.8GT-S」などを設定。
8代目モデルではJTCCを舞台として1994年シーズンから参戦をスタートさせており、スポーティな装いをまとった「スーパーツーリング」というグレードも用意されていた。
そして、国内最後のサニーとなった9代目は1998年10月に登場。ここでホッテストモデルとして、パルサーなどに搭載されて人気を集めていた175馬力を発生する1.6リッターのSR16VE型エンジンを搭載する「VZ-R」グレードを設定。
しかし、すでに高齢化が進んでいたサニーユーザーには響かず、登場から2年足らず、300台ほどの販売でカタログ落ちとなり、2002年5月のマイナーチェンジでエクステリアデザインを大きく変更するも販売は好転せず、2004年でサニーの国内販売は終了することとなる。
その後、実質的な後継車種であるティーダラティオ、そしてその2代目モデルとなるラティオも登場するが、日本国内での小型セダン需要の縮小には抗うことができず、すでに姿を消している。
ただ、サニーの北米仕様として販売されていた「セントラ」については独自の進化を続け、現在も新型が販売中となっており、国の違いを感じさせるところだ。