【芸能】元乃木坂46・中田花奈が今だから明かす「頑張りきった」アイドル時代の話

【芸能】元乃木坂46・中田花奈が今だから明かす「頑張りきった」アイドル時代の話

【芸能】元乃木坂46・中田花奈が今だから明かす「頑張りきった」アイドル時代の話

 乃木坂46中田花奈さん(@nakada_official)は、2020年10月乃木坂46を卒業。ダンスパフォーマンスには定評があり、「ダンス七福神」だった中田さんですが、タレントプロ雀士・麻雀カフェ「chun.」オーナー店長として活躍の場を広げている現在、アイドル時代について「途中からギリギリの状態だった」と振り返ります。

 アイドル生活を駆け抜けた後、芸能界引退も考えていたという中田さん。今だから明かせる赤裸々な話からは、「やりたいこと」と「しんどさ」のバランス、そして「辞め時」のヒントが垣間見えました。

アイドル時代は、後半ずっと辛かった

――卒業は、いつ頃から考えていたのでしょうか。

中田花奈(以下、中田):後半は特にずっと辛かったんです。例えば、テストの成績が悪かったら、何をどう頑張ったらいいかわかりやすい。でもアイドルは“正解”がなく、何が評価されるかがわからない。自分を否定されている感覚になったり、パニックになったりすることもありました。

 アイドル自体が好きだったので、活動していて嬉しいことや楽しいことももちろんあったんですけど、精神的な負荷がすごかった。とはいえ、それまでの生活を全て捨ててアイドルになっているので、「諦め」で終わりたくない。「もう少しだけ、もう少しだけ頑張ってから辞めよう」と思って、ギリギリの状態で続けてきました。

ある日決意した「終わらせ方」

中田花奈
中田花奈さん、麻雀カフェ「chun.」にて

――悶々としながら、踏ん張っていたんですね。卒業後の進路について、考えていたことはあったのでしょうか。

中田:それがなかったので、怖くて辞められなかったんですよね。辞める何年か前、本当に精神的に壊れてしまったことがあって、そうなると体調面にも異変が出てくる。その時、「あと3回耐えられないことがあったら辞めよう」と、“終わり”を決めたんです。そして、その3回目が来た時に、卒業させてください、と事務所に話をしました。

――“終わり”を決めたら、少し楽になりましたか?

中田:回数を決めたのは良かった気がします。3回というのもちょうど良かった。1回嫌なことがあっても、「こんなに頑張ったんだから、終わりまであと2回頑張ろう」と思えたので。

麻雀を仕事にするとは思っていなかった

中田花奈
麻雀カフェ「chun.」

――「頑張りきった感」は、自分の中で大事かもしれませんね。今は麻雀界でも活躍していますが、もともと麻雀に興味を持ったきっかけは、舞台『じょしらく』の「数え役満」というセリフだったとか。

中田:ただただ、自分が背負うセリフの意味を理解しようと思っただけなんです。でも調べてみると、結局、麻雀のルールがわからないと、ちゃんとした意味もわからない。

 そこで、まず麻雀アプリをDLして、やり始めました。もともとアプリゲームはかなりやるタイプだったし、なかでもパズルゲームの類が好きだったので、麻雀は自分に向いてるゲームではあったのかなと思います。

――仕事に向き合う姿勢が、とことん真面目です。

中田:真面目がゆえに、辛くなりすぎちゃってた部分はあるかもしれません。でも、そういう性格のおかげで、麻雀に出会えたのも事実ですよね。

雀卓を囲むコミュニケーションの楽しさ

中田花奈

――卒業前に、麻雀対局の冠番組『かなりんのトップ目とれるカナ?』(TBSチャンネル1、2020年1月~)が始まりました。その経緯は?

中田:もともとは、NMB48須藤凜々花さんがやっていた番組(『りりぽんトップ目とったんで!』)なんです。須藤さんNMB48を卒業するタイミング2代目決定戦があったんですけど、全然実力がなく、その時は落ちました。

 それでも番組には呼んでいただけるようになったんですが、番組を見た父からは「下手すぎる」とダメ出し。当時アプリでしかやってないし、周りに麻雀やってる人もいないし、しょうがないじゃん! と思いつつも、本を買って一生懸命勉強して。実際に打つ機会を増やしていったらもっと面白くなり、ハマっていきました。

 アプリは、ルールをきっちり覚えてなくても、なんとなくできちゃうんですよね。初心者には入りやすいんですけど、やっぱりリアルな対戦とは別。実際に人と打つと、刺激的だし、しゃべりながら雀卓を囲むコミュニケーションも楽しいことを知りました。

アイドルとしてやりたいことはやりきった

中田花奈

――その頃、卒業後は麻雀で生きていくぞ、といった気持ちはありましたか?

中田:一切なかったです。むしろずっと引退を考えてたので。芸能界にとどまるつもりは、正直あんまりなかったんです。アイドルとしてやりたいことはやりきったし、卒業後やりたいことは雀荘のママになることくらいかな、と。

――芸能界を引退しなかったのは、麻雀があったからとも言えますね。

中田:ずっと引退が頭の片隅にあったものの、はっきりと口にしたことはなく、しばらくは仕事があればやろうかな、ぐらいのスタンスでした。すると卒業後、すぐに『中田花奈の“プロ雀士への道”』(テレビ朝日公式YouTube)や『熱闘!Mリーグ』(テレビ朝日)といったお仕事をいくつかいただいたんです。麻雀関係じゃない仕事もあったんですけど、それがなくなっちゃったので、結局、卒業後の新しい仕事は全部麻雀(笑)

「雀荘のママ」にあこがれた理由

中田花奈
麻雀カフェ「chun.」

――なぜ「雀荘のママ」になりたいんですか。

中田:プロ雀士になる実力はないと思っていたし、でも麻雀は好きなので……。私がよく行っていた雀荘が、夫婦で経営している雀荘とか、奥の方にずうっといるおばあちゃんが雀荘のママみたいな、アットホームなところだったんです。

 そういう空間はすごく素敵だなと思って、いつしか雀荘のママに憧れました。でも、やるとしても、まだまだ先の、人生落ち着いた年齢になってからノンビリとやろうかなと思ってましたけど。

――それが、卒業後すぐの番組企画でプロ雀士を目指すことに。

中田:プロ雀士にはどうしたらなれるのか、もともと興味はありました。企画をいただけたのはありがたかったですね。やるからには勉強しようと思って、死ぬほど勉強しました。

「怖さしかなかった」初めての大会後、電車で泣いた

中田花奈

――プロ雀士の世界に飛び込むことについて、怖さはありませんでしたか。

中田:怖さしかなかったです。それまでは、あくまでもアイドル界のなかで、「麻雀が強いアイドル」みたいな位置づけ。それが“アイドル”という冠がなくなって、しかもプロという世界に放り出された状態なので……。1年間ぐらいは、また精神的にどん底までいきました。

 プロ雀士になった4日後に、この年(2021年)から始まった29歳以下の女性タイトル戦「桜蕾戦(おうらいせん)」に出ることになったんです。プロの大会自体が初めてで、何もわからないまま、他の人がやっていることを見て吸収していかなきゃいけなくて、もう全てが怖くて怖くて……。そこでモタモタしちゃったことで、明らかに周囲に迷惑をかけたんですよね。

――空気が張り詰めている大会で、ただでさえ緊張しているのに、勝手がわからない。

中田:もちろん私が悪いんですけど、その場で泣いちゃいけない、とこらえました。でも、試合が終わった瞬間に涙が溢れちゃって。ヤバい、ここで泣くのは絶対違う! と思って、急いで会場から走って出て、ぐわぁーって泣きながら電車に乗りました。

他人に負けたくないという気持ちがない

――負けず嫌いですか?

中田:全くです。他人に負けたくないという気持ちがないので、諦めちゃうんですよ、すぐ。

――意外です。麻雀やる人って、みんな「負けず嫌い」なのかと。

中田:そうですか? でも、そうですね……確かに麻雀プロは、負けず嫌いじゃないと務まらないと思います。だから多分、プロの方たちは私のこと嫌いだったと思う。「急に入ってきて」みたいな。

自分に対して「負けず嫌い」

中田花奈

――プロ雀士になりたての頃と今とで、気持ちの面で変わった部分はありますか。

中田:あまり外野を気にしなくなりました。何を言われても、自分の立ち位置は自分だけのもの 。全部仕事を辞めたとしても1年以上生きる力はあるし、なんとかなると思うようになったら、気が楽になりましたね。ただし、もしそういう時に負けず嫌いだったら、「なにくそ!」と思って努力できるんだとも思うんですけど……。

――他人に負けるのが嫌、という意味での「負けず嫌い」ではなくとも、自分に厳しいのかもしれませんね。

中田:確かに、他人と比較してじゃなくて、自分に対して負けず嫌いではありますね。完璧じゃない自分が嫌なだけ。他人が“上”であること自体には何とも思わないけど、自分が自分に負けるのは嫌、というスタンスではあるかもしれません。

<取材・文/吉河未布 撮影/星 亘>

中田花奈
1994年埼玉県出身。2011年乃木坂46の第1期生オーディションに合格。2012年2月に1stシングル『ぐるぐるカーテン』で選抜メンバーとしてデビューし、その後2020年10月に卒業。2021年より麻雀カフェ「chun.」経営者兼店長、日本プロ麻雀連盟に所属のプロ雀士としても活動。著書に『「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話。』(PHP研究所)が発売中

【吉河未布】

編集者ライターネットの海の端っこに生きています。気になったものは根掘り葉掘り

(出典 news.nicovideo.jp)

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