【社会】日本のシニアがワクチン陰謀論に傾倒する理由とは?

【社会】日本のシニアがワクチン陰謀論に傾倒する理由とは?

【社会】日本のシニアがワクチン陰謀論に傾倒する理由とは?

陰謀論(いんぼうろん、英: conspiracy theory)とは、なんらかの有名な出来事や状況に関する説明で、根拠の有無にかかわらず「邪悪で強力な集団(組織)による陰謀が関与している」と断定したり信じたりしようとするものである。この言葉は、偏見や不十分な証拠に基づいて陰謀
112キロバイト (14,975 語) – 2023年7月7日 (金) 12:16

(出典 eetimes.itmedia.co.jp)
日本のシニア世代は戦後の教育や社会の変化を身をもって経験してきた世代であり、その中で一定の権威や信頼を築いてきた。その為、今までの常識や権威に対する信頼感が強く、新しい情報や科学的な根拠に対し疑いの目を向ける傾向があるのではないでしょうか。

1 守護地頭 ★ :2023/11/24(金) 06:48:54.67 ID:zzxWb6pf9

https://chuokoron.jp/society/124022.html

Jアノンの主力はなぜシニアか
 さてこういった「ユダヤ陰謀論」は第二次世界大戦後に「国際金融資本による陰謀」に置き換わり、それがロック*ー、ロスチャイルド、フリーメイソンに対しての陰謀論をはぐくみ、それがこんにちの「ビル・ゲイツによるワクチン陰謀論」に接続している。よって目下の反ワクチン陰謀論も、ほぼ全部が古典的な「ユダヤ陰謀論」の派生型である。

 Jアノンの主力が若者ではなくシニアであり、それは我が国固有の奇異な現象であると書いたが、我が国の陰謀論者にシニアが多いのは、次のような背景がある。かつて陰謀論は、月刊誌や書籍など活字媒体の中で展開された。ユダヤ陰謀論や世界滅亡を扱ってベストセラーになった本や雑誌は、1970年代のオカルトブームの時代に隆盛を見た。だがこの時の読者は「面白半分」で手に取る者も多く、本当に陰謀論に傾倒していたわけではない。

 後述するネット右翼などに代表されるヘイト問題にも共通するが、現在、かれらの「陰謀論への門戸」つまり入り口は書籍ではなくインターネット、とりわけYouTubeを筆頭とする動画情報である。「神真都Q」の会員は会報や書籍を共有しているわけではない。彼らの情報源はYouTubeやYouTubeライブであり、動画を見て会員になり、それが地域支部となって全国に広がっている。なぜシニアは、YouTubeで展開される陰謀論を信じるのか。

 これには、インターネット技術の進歩が密接に関係する。1990年代中盤から加速度的に普及したネットは、当初NTT電話網の関係で極めて低速であり、動画視聴には堪えない代物であった。またそもそも家庭でのネット回線の導入は、最低限のPC、IT知識を必要としたから、ネット普及期に「情報弱者」になりえたのはシニア世代である。

 ところが技術の進歩によりネット参入のハードルは2000年代中盤にほぼ解消された。知識がなくとも高速で廉価なネット環境に接続できるインフラが整ったのだ。このようにシニアは、我が国のIT技術の恩恵を「後発」で受けた世代であると同時にYouTubeへの快適なアクセスを最初から保証された人々である。

 ネットが未整備な時代、ネット世界はほぼ文字だけで構成されており、その咀嚼には読解力が必要とされた。またその情報がファクトかフェイクかを見抜くリテラシーも必要とされたが、青年期にPCからのネット接続の経験が乏しく、後発でネット世界に参入したシニアの一部はそういった訓練が不十分であり、手軽に見ることのできるYouTubeの言説を鵜呑みにする。そこに陰謀論が付け込むすきが生まれるのだ。

 陰謀論は必ず現在の国際、政治、社会情勢を「一挙に理解できる手段」として提供される。それまで漠然と新聞を読み、テレビを見てはいたが、それだけで複雑な世界を理解するには足らない。そもそも世界の複雑性は「何かひとつの理屈」だけで説明することはできない。こういった世界の複雑性に耐え切れず、青年時代から思考訓練を怠ってきたシニアの一部は、YouTubeで展開される陰謀論に飛びつく。

 加えてYouTubeは「再生時間の調整」が可能である。倍速機能だ。この機能は、YouTubeが日本に上陸した初期には存在しなかった。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)は大きな話題になった。この倍速機能を利用するのは若者だけと思われがちだが、そんなことはない。シニアにも「普及」している視聴形態なのである。私の母親は70歳に近いが、2時間の映画や番組を見るのがもう耐えられない。じっと座って何かを見たり、考えたりするということが難しい。そこに陰謀論が付け込むもうひとつの背景がある。

(続きは『中央公論』2023年12月号で)
2023年11月24日
中央公論編集部

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