修学旅行中、中学生が美術館の作品を破壊 作家のコメントに「涙が出た」「素晴らしい」

修学旅行中、中学生が美術館の作品を破壊 作家のコメントに「涙が出た」「素晴らしい」

修学旅行中、中学生が美術館の作品を破壊 作家のコメントに「涙が出た」「素晴らしい」

修学旅行中、中学生が美術館の作品を破壊 作家のコメントに「涙が出た」「素晴らしい」

2022年4月、新潟県十日町市にある美術館『越後妻有里山現代美術MonET』で展示中の作品が公開休止になりました。

非公開になったのは、作家のクワクボリョウタさんによる『LOST#6』と、作家のカールステン・ニコライさんによる『Wellenwanne LFO』です。

美術館「来場者のマナー違反による、接触などにより作品が破損」と発表。続いて同年6月6日新潟市は、市内の中学生修学旅行で訪れた際、作品を破損したことを明かしました。

中学生マナー違反による作品の破損に、ネットからは「悲しすぎる」「なんて酷いことを」といった声が相次ぎました。

破損した作品の作家・クワクボリョウタさんがコメントを公表

同月9日、破損した作品の1つである『LOST#6』を生み出した、クワクボさんがTwitterを更新。

今回の騒動について、そして破損した作品について、このように心中を明かしました。

まず、このような状況に僕が平気でいられるのは、多くの人が作品を愛してくれていることを知ったからです。支えてくれている皆さんに感謝しています。

暗い展示室で何が起こったのか、どうして生徒たちがこんなことをするようになったのか、自分はまだすべてを理解しているわけではありません。

まだ中学生ですから、これからの発言や対応には注意深くありたいと思っています。

考えてみれば、誰でも若いうちはちょっとした失敗をするもので、今回結果だけ見れば一線を越えていたかもしれませんが、それでも誰かに怪我を負わせたわけではありません。

確かに作品は完全に破壊されましたが、物は物です。幸いこの作品に使われている素材は(その多くは現地の方に譲っていただいた織り機です)どれも修理や再生が可能なようです。

しかも、作者はまだ生きていて作品を修復する気力も体力もあります。だから、物理的な面ではそれほど深刻な状況ではありません。

それよりも重要なのは、生徒たちが内なる不満や怒りの欲望をさまざまな違った形で表現できるよう支えることです。

これはアーティストの力ではどうにもならない。大人や学校、友だちや地域の人たちの協力が必要です。

少なくとも自分は、修復を通じて、この事件が彼らや彼らのコミュニティ、そして芸術を愛する人々に悪い爪痕を残さないよう、最善を尽くしたいと思います。

良い夏休みを迎えましょう!

@RyotaKuwakubo ーより引用

2012年にクワクボさんの手によって制作された、『LOST#6』。

美術館がある十日町の織物機具の一部や農機具、用具などが使用されており、地域の風景が重ね合わせられるのが特徴だといいます。

作品は、作家の魂の一部のようなもの。これまで生み出してきた作品には、いろいろな想いが詰まっているのでしょう。

今回の騒動は、クワクボさんにとってつらいものだったはずです。しかし、クワクボさんは作品を破損させた中学生を強く咎めず、冷静に問題点を指摘。

作品を踏み荒らすに至った中学生の心理について考え、「生徒が内なる不満や怒りの欲望を、違った形で表現できるようにしなくてはならない」と意見を述べました。

クワクボさんのコメントはまたたく間に拡散され、多くの人がその内容に考えさせられたようです。

・読んでいて涙が出てきた。作家としても人間としてもかっこいい。

・大人として素晴らしい。正しく導く姿勢が、真の教育の形だと思った。

・作品を壊されて腹立たしいだろうに、冷静に対応できてすごいなあ。

作品を破損させた人をただ怒るだけでは、きっと根本的な部分は何も解決しないことでしょう。

クワクボさんの言葉が中学生たちに届き、自身を見つめ直すきっかけになることを望みます。


[文・構成/grape編集部]

出典
@RyotaKuwakubo
※写真はイメージ

(出典 news.nicovideo.jp)


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