人間の心臓は野菜から作り出せる!
植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物である。
繊維素とも呼ばれる。自然状態においてはヘミセルロースやリグニンと結合して存在するが、綿はそのほとんどがセルロースである。
今後の心臓治療に向けて実際に行われた研究で、その野菜とは「ほうれん草」である。
ほうれん草の葉脈が人間の血管にかなり近い。その葉脈だけを残して他の部分を取り除く。
すると植物の細胞を構成する食物繊維の一種セルロースだけが残る。
このセルロースは人体との親和性が高く、体に馴染みやすい。そこに心臓の細胞を移植すると増殖して機能し始めた。
実際に血液を流してみたところ、5日後から脈を打ち始め、最長2週間動き続けた。
人間の心臓をほうれん草から作り出す時代が来るかもしれない。事故や病気で心臓に異常が生じた時、心臓の再生は医療的にかなり困難とされている。
中でも心臓の血管を人工的に作ることは不可能に近いとまで言われてきた。しかし、意外なところにヒントがあった。
ある研究者がランチを食べている時、ほうれん草を見てその葉脈の形が心臓の血管に似ているという発想からこの研究を思い付いた。
植物に養分や水分を送る管であるほうれん草の葉っぱの葉脈を、体内の各部に血液を送る管である心臓の血管に代用できないかという発想が大発見に繋がった。