イーロン・マスク氏、なぜ米ツイッターの筆頭株主に? 過去ツイートから分析

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イーロン・マスク氏、なぜ米ツイッターの筆頭株主に? 過去ツイートから分析

 米スペースXテスライーロン・マスクCEOが米ツイッター取締役就任を辞退したと、同社のパラグ・アグラワルCEOが4月11日、自身の公式Twitterアカウント明らかにした。マスク氏は同月4日までに、約3500億円を投じて9.2%のツイッター株を取得。筆頭株主として2024年までの任期で取締役就任が有力視されていた。マスク氏は株式取得の経緯や取締役辞退の理由を明らかにしていないものの、筆頭株主の地位は変わらず、経営や事業展開など今後の同社の意思決定に一定の影響力を行使するものとみられる。マスク氏はなぜ世界的なSNSラットフォームの筆頭株主になったのか。過去のツイートを紐(ひも)解き、分析する。

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マスク氏「言論の自由を守らないことは民主主義に反する」

 マスク氏はツイッター株取得が明らかになる前の3月25日、自身の公式Twitterアカウントで「言論の自由民主主義が機能するために不可欠なものだ」と投稿。その上で自身の「Twitterはこの原則(言論の自由)を順守していると思うか?」とするアンケートを実施した。203万5924ユーザーの投票の結果、「No」が70.4%を占め、ツイッターの現状に不満を持つ層が一定数存在することが浮き彫りになった。

 投票結果を踏まえ、マスク氏は同月27日に「ツイッターが事実上の公共の広場として機能していることを考えると、言論の自由の原則を守らないことは民主主義を根本的に損なうことになる」と投稿。「私は何をするべきか」「新たなプラットフォームは必要とされるか」とも続けた。

アンケート実施前に保守系ニュースサイト運営者に接触

 マスク氏は前述の投票実施前、ある人物にも接触していたという。その人物とは保守系ニュースサイト「The Babylon Bee」運営元のセス・ディロンCEO。ディロンCEOが手掛ける同ニュースサイトの公式Twitterアカウント3月21日に、ツイッタールールに反したとして、アカウント停止の処分を受け、同日以降、新規の投稿ができないようになっている。

 ディロンCEOは4月5日、自身の公式Twitterアカウントで「マスク氏は、Twitter言論の自由への取り組みについてフォロワーにアンケートを取る前に、われわれに連絡してきた。彼(マスク氏)は、私たちが実際に停止されたことを確認したかったのだ」と明らかにした。ディロンCEOとの電話の中では「Twitterを買う必要があるかもしれないとさえ考えていた」という。

 ディロンCEOとマスク氏の接触は今回が初めてではない。21年1月8日、国会議事堂襲撃などの暴力行為を煽動したとして、ツイッタートランプ氏のアカウントを永久凍結すると発表。Facebookなど他の主要SNSアカウントを凍結した上、米グーグルアップルトランプ支持者が代替サービスとして使用していたSNSアプリParler」(パーラー)の自社アプリストアでの提供を停止した。さらに米アマゾンも同サービスへのサーバ提供を停止した。

 こうしたことを受け、The Babylon Beeは同月11日、トランプ大統領退陣に関する記事を配信。記事は「悪のファシスト独裁者が検閲を受けた」などとビッグテック企業による一連の“トランプ排除”を皮肉る内容だった。記事配信のツイートに対し、マスク氏は「事実上の言論の自由の支配者としての西海岸のハイテク企業に、多くの人が非常に不満を抱くことになるだろう」と投稿した。

 ただ、同ニュースサイトの内容を巡っては、賛否両論あり、米主要紙USAトゥデイ紙は「フェイクニュースサイト」と断じている。

 こうした一連の投稿を見ると、マスク氏はSNS上の言論の自由に対し、強い問題意識を持っていると見られる。過去には「同じ機械、同じ検査、同じ看護師という条件で、今日、新型コロナを4回検査した。2回は陰性、2回は陽性だった。何か極めてインチキなことが起きている」と投稿。PCR検査などの検査方法に疑義を呈し、物議を醸すなど何かとTwitter上ではお騒がせなマスク氏だが、こうした“過激”ツイートは、言論の自由を重視するからこその投稿なのかもしれない。

●筆頭株主として新機能に関するアンケート実施

 マスク氏のTwitterのフォロワー数は約8144万。熱心なTwitterユーザーとしても知られる。筆頭株主になってからは、自身の公式Twitterアカウントで「(ツイートの)編集ボタンがほしいか?」とするアンケートを実施。約441ユーザーが投票し「Yes」が73.6%を占める結果が出た。

 ツイッター側にとっては一見、批判的にも見えるマスク氏の行動。これに対し、アグラワルCEOは「彼(マスク氏)は熱狂的な信奉者であると同時に、サービスの激しい批評家でもある。まさにわれわれが必要としている存在だ。長期的にわれわれをより強くしてくれるだろう」「われわれは今後も彼のアイデアオープンであり続ける」と投稿し、歓迎する姿勢を見せている。

 マスク氏が実施したアンケート調査の結果との因果関係は不明だが、その後、ツイッター社はサブスクサービスTwitter Blueラボ」で「向こう数カ月中に編集機能のテストを開始する」と正式発表している。

 企業に不満があるなら、自ら筆頭株主となり、影響力を行使する――。世界一の財力を背景に、そうした資本主義経済のルールを体現したともいえるマスク氏の一連の行動は、企業経営者や投資家にも今後、影響を与えそうだ。

米ツイッターのオフィス(提供:ゲッティイメージズ)

(出典 news.nicovideo.jp)

Elon Musk ^ “イーロン・マスク氏、世界3位の富豪に 好調のテスラ株が追い風”. CNN. 2020年9月3日閲覧。 ^ “テスラのマスク氏、世界3位の富豪に浮上-ザッカーバーグを抜く”. Bloomberg. 2020年9月3日閲覧。 ^ “イーロン・マスクの純資産が1日で史上最大の下落を記録”
33キロバイト (4,250 語) – 2022年4月13日 (水) 03:44

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