《写真あり》「いいとも」出演中、あわやケンカになりかけたことも…レディース同士のケンカを制止した“タモリの気の利いた一言”

《写真あり》「いいとも」出演中、あわやケンカになりかけたことも…レディース同士のケンカを制止した“タモリの気の利いた一言”

《写真あり》「いいとも」出演中、あわやケンカになりかけたことも…レディース同士のケンカを制止した“タモリの気の利いた一言”

 暴走族雑誌『ティーンズロード』に出演したことがきっかけで、ついにはCD&芸能界デビュー。1990年代、女暴走族のカリスマとして君臨したかおりさんの人生にクローズアップ。バラエティ番組『笑っていいとも』に出演した際、あわやケンカになりかけた出来事と、それを制止した「タモリさんの一言」とはいったい……?

 かおりさんによる初の著書『「いつ死んでもいい」本気で思ってた・・・』(大洋図書)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

◆◆◆

初代鬼風刃デビュー

「かおりちゃん、CDを出してみないかって話が来てるんだけど」

 女族(かおりさんが2代目総長を務めたレディース)を引退して間もなく、『ティーンズロード』編集長のKさんからこんなお話がきた。

「え! なにそれ? 歌、下手だよ私」

 全国のレディースを5人集めてCDデビューするというお話だった。

(私の歌聞いたことないのに、大胆だな……)

 そんなことを思いつつも、それまで雑誌、TVに出てきて芸能界に興味を持ちはじめていた私は、二つ返事でOKした。

 メンバーとの初顔合わせの日、緊張と興奮で胸が高鳴った。

 メンバーは私を含めて5人。

 秋田のじゅり、岩手のゆうこ、三重のえみ、京都のさちこ。そして私、栃木のかおり。

 それぞれが『ティーンズロード』で名を馳せていた総長や副総長だ。

(いくら元とはいえ、レディースの頭張ってた者同士が集まったらケンカになるでしょう!)

 本気でそう思った。

 20人くらい入るレコード会社の会議室で私たちは初対面した。

「北関東硬派連盟貴族院・女族の2代目総長かおり。よろしく」

 まさか引退後に再びこんな自己紹介をするとは……少し照れ臭かった。今まで『ティーンズロード』でしか見たことがないレディースの頭たちがこうして一堂に会すると、なんとも言えないピリッとした空気があった。

 全員の自己紹介が終わった後、担当の人から今後の活動の流れやら説明を受けた。

「たばこは吸っていいの?」

 私のこんな一言に、レコード会社のえらい人たちが固まっていた。慌てて担当者が

「まだ未成年だから、吸っちゃダメだよ」

「え~、無理だろ、やめられねぇよ」

「吸うなら、見えないところで吸ってね」

 なんとかそれでなだめられた。

 スタッフたちは引き上げて、私たち5人だけが会議室に残された。

出会ってすぐに意気投合

 ピリッとした空気のなか、京都のさちこが話しはじめた。

「なぁ、かおやんやろ? 私、『ティーンズロード』で見てたんよ」

「そうそう、私もずっと見てた」

 秋田のじゅりもそう続けた。

 三重のえみも「うちも、知ってる」、岩手のゆうこも「私も前から知ってた」と、みんな私のことを知ってるらしかった。

「かおやん?」

 いきなりあだ名? 関西弁でそう言われたことがとても新鮮で、さっきまでの張りつめた空気が一気に溶けた。

 すぐさま私たちは意気投合した。

 レディース総長のあるある、気苦労など、共感しあえた部分があるからこそ仲良くなれたのだろう。

 それに5人の役割、というか個性が面白いぐらい被ってなかった。

 じゅりが一番年下で、とっても男らしい、妹みたいでかわいかった。

 ゆうこはかなりマイペースで、好き、嫌いがはっきりしていた。

 さちこが一番しっかりしていて、肝っ玉かぁちゃん。

 えみは少し天然なキャラ。

 私は……お笑い担当だったかな?

 グループの名前は、みんなでいろいろ考えたけど、結局レコード会社が用意していた「鬼風刃(きふうじん)」――“鬼のように風を刃って走る”って意味だったかな――になった。

「どうせなら暴走族らしく“初代”をつけよう」

 ということで、「初代鬼風刃」に決まった。

 こうして史上初の本物のレディース総長によるユニット・初代鬼風刃は結成された。

『笑っていいとも』に出演してあわやケンカに

 初代鬼風刃のデビューが決まって、いろんな雑誌、新聞のインタビューを受けた。

 悪いことをして“少女A”以外で新聞に載ることになるなんて……正直嬉しかった。

「うちら、実名で出るんだなぁ」

 初代鬼風刃全員でそう思った。

 取材では、同じ質問を何社からもされる。

「チーム名お願いします」

「どうしてCD出そうと思ったんですか?」

「目指すところは?」

 とかね。それに逐一答えていかなければいけないのだが、まだまだヤンキー感が抜けない私たちは、

「さっきも言ったよ」

 なんて、1日に7~8回も聞かれると最後は不機嫌になりだるい感じで答えていた。

 だけど、「目指すは、紅白歌合戦」

 そんな大きい夢をいつしか持つようになっていた。

 実は初代鬼風刃にリーダーはいない。置かない、いや、置けない。それぞれ頭を張ってきたメンバーをまとめるのは一苦労だとわかっていたので、どんなことでもみんなで話し合って決めることにした。

 雑誌、TV出演、レコーディングなど、仕事がある時はそれぞれ地元から通っていたんだけど、上京するとビジネスホテルに1~2週間滞在することもしばしば。そんなときの部屋割りはジャンケンで決めるようにした。みんな好みがあるからね。

 あとは、5人いると写真を撮る時にはセンターができてしまう。そんな時も公平にジャンケンで決めていた。“センターを決める”ってなんだかAKB48みたい? いや私たちがはしりかもね(笑)。

 こうして私たちは独自のルールでバランスをとりながら仲良く仕事をし、シングルCD2枚とアルバム1枚をリリースさせてもらった。

『笑っていいとも!』に出たこともある。アウトローな人を審査する企画で審査員をやった。

 最初にタモリさんに挨拶をしに楽屋を訪ねた。

「初代鬼風刃です、よろしくお願いします」

「あぁ、よろしくね」

 タモリさんは、テレビと同じで優しそうな雰囲気だった。

「ねぇ、見た? 本物だよ、サングラスかけてたね」

 私たちは完全にミーハー状態(笑)。

 番組は生放送だから、放送で絶対に使ってはいけない放送禁止用語の一覧表を見ながらスタッフが教えてくれた。

「え~? これが放送禁止用語なん? うちら一発でアウトじゃん」

 普段よく使う言葉がたくさん入ってた(笑)。

「これ全部使っちゃいけないんじゃ、しゃべんなってこと?」

 びっくりするぐらい生放送って気を遣うんだなぁ。

 本番では、アウトローの審査に栃木県のレディースが出場していた。

「なんだよ、栃木だ? 栃木のどこ?」

 私の血が騒いだ。

「壬生(みぶ)だよ」

 出場した子が言う。そのえらそうな言い方にカチンと来た。調子こんでるやつを見るとついケンカ吹っかけたくなってしまうんだよね。

「なんだ、田舎じゃん。帰れ」

 私なんと、生放送でキレてしまった。あたりは一瞬ピリッとした空気になった。

 そこはさすが、タモリさん。

「そうだよ、早く帰りなさい」と笑いに変えてくれたのだ。

 ピリピリした空気を瞬時に面白さに変えるタモリさんのフォローに、やっぱり名司会者は違うなぁと感じたものだ。

 他にはこんなこともあった。これはじゅりの話だけど、ある深夜番組に出演した時に、司会者のタレントを指さして、「あいつ、むかつく。気に食わない」と言ったのだ。

「確かに、むかつくよ」

 私たちもじゅりに賛同。もう一人の司会者が慌てた様子で、「まぁまぁ」と私たちをなだめてきたことをよく覚えている。

 引退したとはいっても、根っからのヤンキー気質はそうそう変わらないよね。

「可愛い孫を傷つけられて、どんだけショックか分かるか?」長男の暴力が原因で土下座したことも…暴走族を引退した後も壮絶だった「伝説のレディース総長・かおり」のその後〉へ続く

(かおり/Webオリジナル(外部転載))

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いいとも放映中、レディース同士がケンカしかけたことも……。それを制止したタモリさんの「気の利いた一言」とは? ©文藝春秋

(出典 news.nicovideo.jp)

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