エンタメ言葉帳Vol.72ショットを広めた男石橋貴明笑いは個人芸だと思う8年後テレビは残っているかの裏にある愛情

エンタメ言葉帳Vol.72ショットを広めた男石橋貴明笑いは個人芸だと思う8年後テレビは残っているかの裏にある愛情

【エンタメ言葉帳Vol.7】“2ショット”を広めた男・石橋貴明「笑いは個人芸だと思う」 「8年後テレビは残っているか」の裏にある愛情

 世間にあふれる番組やコンテンツの数だけ、数多くの言葉が紡がれている。そんなあふれる言葉の波の中から、気になるものを紹介する連載【エンタメ言葉帳】。第7回は、6月29日に放送されたABEMA石橋貴明お礼参りTHE WORLD4週ぶち抜きSP』での言葉を紹介していく。

【ダイジェスト動画】石橋「笑いは個人芸だと思う」伊集院&みやぞんと熱いトーク

■MC目指す芸人たちへの疑問 “スターになれなかった”伊集院の決意「2番バッターやろう」

 番組では、お笑いコンビ・ANZEN漫才のみやぞんが、芸能界で活躍するきっかけを作ってくれた石橋とタレント伊集院光へ“感謝の接待ツアー”をプレゼントする様子を放映。その中で、みやぞんから「長く芸能界で生きていくには?」との質問が飛び出すと、石橋が次のような思いを打ち明けた。

 「長くやることを目的にしていると、意外とそいつらはいなくなっちゃうんじゃないの?オレたちが世に出た時は『1年ぐらいでいなくなっちゃうだろう』というのが大半の意見でしたよ。ところがどっこい、なんか…やれたのは、自分らが面白いことをやり続けていたということぐらいしか…答えとしてひとつあげろって言われたら」

 これを受け、伊集院が「よく言うのは、長生きするために、勢いでバンと出てきた若手って、途中から司会がやれるように、自分から『オレが、オレが…』を言わなくなるというか。司会にちゃんと転身している人って、人においしいところをあげて、あんまり自分からギャグを言わなくなる。そうする方が長生きできるっていうんだけど、とんねるずって、まったくしなかったですね」と語る。

 石橋は「今のやつら、みんなMC目指すって言うじゃん。なにそれって」との違和感を表明すると、伊集院が「(とんねるずは)意外に珍しいタイプだと思うんです。ちゃんと冠やって、ゲスト呼んでってやっているんですけど、いわゆる、下手すればゲストより面白いことを言ってやろうっていう姿勢で…オレ今偉そうなことを言っていますけど」と丁寧に言葉を選びながら呼びかけた。

 トークが熱気を帯びていき、石橋が「なんかさ、オレらの下ぐらいの年齢から団体芸になっちゃっているんだよね。ひな壇の人たちもそうなんだけど、団体芸で1個って感じ。でも、オレは、笑いは個人芸だと思う」と熱弁。伊集院は「自分なんかはスターに憧れていたんですけど、スターになれないことがわかるんですよ。そうすると、2番バッターやろうと思うんです。トーク番組で大勢いる時に、どうしても困った時は僕がつなぎますみたいな…。団体芸そのものなんです。それがくやしくもあるし、だけど送りバントさせたらすごいんだから使ってくれっていう意識とか」と自身の役割を伝えていった。

■石橋「お笑いって学校で学べるものなの?」 テレビへの危機感と愛のムチ「ちゃんと作っているものは残る」

 伊集院の言葉を受け取った石橋は「この世界はレギュラーが決まっているから。野球でいえば9人。9人に残るために、自分はバントを磨き上げていくって決めたから、グッとそっちに行けたわけでしょう」とやさしく呼びかけ。「(木梨)憲武はどう思っているかわからないけど、オレはあくまでエースじゃなきゃ嫌だったし、4番バッターじゃなきゃ嫌だった。ゲームを決めるのはオレだと思っていたし、ゲームが始まって第1球を投げるのもオレだと思っていた」と言葉に力を込めた。

 伊集院が「MCって4番じゃんって思っていらっしゃる?」と向けると、石橋が「昔のテレビマンはアクが強かったじゃん?大橋巨泉さんとか愛川欽也さんとかって、そのくらいまでいけば…なるほどね『THIS IS大橋巨泉ショー』『愛川欽也ショー』なんだくらいのMCだと納得するんだけど…」と自身のMC論を展開していった。

 さらに白熱していき、伊集院が「とんねるずって奇跡っていうか。僕以降、ほぼほぼお笑い学校出身じゃないですか。お笑いスクールから出ている」と指摘すると、石橋は「お笑いって学校で学べるものなの?」と率直な思いを吐露。みやぞんが、自身の世代としては珍しく、養成所などの学校出身でないことを知ると、石橋は「持って生まれた、遠くに飛ばせる力を持っているんですよ」と笑顔で賛辞を送りながら、小さくまとまる必要はないと呼びかけ「振らないと。みんな振れなくなんだから」と訴えた。

 テレビとともに歩みを進めてきた、石橋ならではのコメントも。若者の流行語についてのトークで「2ショットっていうのは、オレたちが世の中に広めたと思ったんだけど。それを(ある時)NHKアナウンサーが『2ショット』ってニュースで言ったの。その時にオレはやったと思ったの。NHKアナウンサーが言ったんだと…」とかみしめるように話した。

 ディープなエピソード続出に、エンディング伊集院が「こういうのを書き残しましょう。中途半端な時に言うと、おっさんが古いこと言っているよってなるけど、たぶん70歳をこえたら、みんな聞くでしょう」と石橋に呼びかける一幕も。石橋が「今年62歳だから、8年後…果たしてテレビが残っているのか」との思いを話すと、伊集院が「オレなんか希望を持っているのは、ラジオって、テレビ出た時に絶対なくなるって言われていたんですよ。でも、まだあるじゃないですか?」と続けていった。

 これを受け、石橋は前向きに語った。「ちゃんと作っているものは残ると思うのよ。テレビだって、これだけつまらない、若いやつは見ていないって言われて、面白いものを作っていれば残ると思う。いろんな規制があるんだけど、とにかく面白いと思ったことをやり続ける。それがすごく大事」。石橋の芸人としての矜持、テレビへの思い、伊集院の役割論など、お笑い好きはもちろん、あらゆる人に刺さる言葉が次々と飛び出した。

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石橋貴明 (C)ORICON NewS inc.

(出典 news.nicovideo.jp)

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