コンビニ店員が嘆く「迷惑客」4選。“歩きスマホ”で店内に長居、何も買わずに出ていく人が意外と多い
筆者はコンビニで長く働いてきた。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間に手伝う生活をしている。
今回は、コンビニ店員として感じる「迷惑な客」4選を紹介する。3月13日以降、政府はマスクの着用について「個人の判断に委ねる」方針を示したが……。
ここ最近、客の行動で気になっているのは、「歩きスマホで店内をフラフラする」ことだ。若い人に多い気がするが、どういうつもりなのかを知りたい。
電話で大声で会話したり、画面を見ながらグルグルと店内をうろついたりしている姿は滑稽で、見ているこちらも地味にストレスが溜まる。何かやらかしそうで気になってしまう。
その後に買い物すれば問題ないが、10分以上フラフラした挙げ句、何も購入しないで出て行ってしまうこともある。それは正直、迷惑でしかない。
店長によると、これは深夜でもよくあるらしい。レジ付近に来たと思って慌ててバックルームから出ていくと、やはり客は何も買わずに出て行ってしまうとのこと。
外よりかは雑音が少なくて、寒さがしのげるから? なぜ店に入ってくる?
この不思議な現象は、なんと呼んだらいいのだろうか。
◆②店内の物を壊しておきながら何も言わずに帰る客
店を利用する客は常識を守っていただきたい。先日、ゲームのキャラクターなどがプリントされたプリペイドカードが床に落ちていた。怪訝に思って近づくと、それを掛けるラックの部品が壊れていたのだ。
おかしいと思って店長が防犯ビデオを確認。すると、コピー機を使用していたお母さんの横で小さな子どもがプリペイドカードをいじりだし、ラックの上にも乗っていた。ふつうは親が注意するだろ!
しかし、そのお母さんは何も言わず、子どもが部品を壊した際も、それに気が付いたにもかかわらず、知らんぷりして帰っていった。
もしも「子どもが壊してしまって申し訳ないです」とか一声かけてくれたら「こちらで直しておくのでいいですよ」なんて返すこともできるだろうが、なんとも言えない悔しさだけが残った。店内の物を壊しておきながら黙ってそのまま帰るなんて、器物損壊だろう。思わず呆れてしまった。
◆③自分が落としたお金を店員に拾わせようとする客
また、ある日のこと。忙しい時間帯に女性の店員が筆者を呼んだ。
「浜さん、ちょっと、あのお客さんの対応お願いします……」
そこには60代ぐらいの夫婦がいた。高齢者がコピー機の使い方がわからないというのはよくあることだが、そうではなかった。「あそこなんですけど」と栄養ドリンクが置かれている冷蔵庫に指をさす。
筆者が「どうしたのですか?」と聞けば「10円玉が下に入っちゃったのよ。なんとかしてくれない?」って……。
え? と思った。自分で落としたのだから、自分で拾ってほしいものだ。下の隙間をのぞいてみたが、暗くて何も見えない。冷蔵庫も動かせないようになっている。
「この冷蔵庫は動かせないし、硬貨がどこにあるのか見えません」
本音としては、10円なので諦めてほしいものだ。しばらく女性は下をのぞいたのちに「諦めるしかないかあ〜、残念だわ」と言った。なんでこんなことで忙しい時間帯に店員が呼び出されるのだろう……。
◆④ゴミだけ捨てにくる客
筆者の働く店舗は、店外からのゴミの持ち込みは禁止にしている。最近そのような店舗が増えてきているが、仕方ないことだと思う。
もしも自由にしたら、家庭ゴミをはじめ、散歩中の犬の糞、他の店舗で購入したコーヒーやハンバーガーのゴミなど、うちとは関係のないゴミが持ち込まれてしまうのだ。なかには、何も購入しないのにゴミだけ捨てにくる人まで。そんな人は、もはや客ではない。コンビニはゴミ捨て場ではないのだ。
そもそも店内のゴミ箱は、店で出たゴミや、購入したお客さんに利用してもらう目的で置いていたのだが、前述のような人たちが多い。コロナ禍に突入したことで衛生面から利用不可になったが、迷惑客が減って助かった。もちろん、うちの店で購入した商品のゴミは頼まれたら捨てるようにしている。
そんなときに、最悪の客が現れた。最近たまに利用する20代と思われる若い女性。
「ゴミ箱ありますか?」
「ありません。店外からのゴミの持ち込みは禁止です」
彼女の手には、某ファストフード店の袋が握り締められていた。そこで諦めて帰ってくれたと思っていたのだが……。
10分後、うちの店員が「なにこれ!」と声をあげた。様子を見に行くと、ATMの脇に先ほどの女性が手に持っていたファストフード店のゴミが置かれていたのだ。
最悪である。防犯ビデオで確認すると、その女性はキョロキョロしながらそっとゴミを置いて去った。店長は激怒して「次に来たら出入り禁止を通達する」と言っていたが、それ以来、その女性は姿を見せていない。
さて、3月13日に政府はマスクの着用について「個人の判断に委ねる」という方針を示した。約1か月が過ぎようとしているが、コンビニでも少しずつ「ノーマスク客」が増えてきた。
筆者としては、レジでの作業において、ノーマスク客は迷惑というよりも「ありがたい」とも思っている。なぜなら、飛沫防止シートがあるうえ、マスクをしていては、客の声が非常に聞きとりにくかったのだ。それに伴う間違いが多かった。
1回では聞きとれないので「もう一度言ってもらえますか?」なんて確認すると、こちらが思っていた内容とはまったく違っていたこともあった。ときには、相手が怒ったように大声を出す場合もある。
もちろん、マスクをしていてもわかりやすく伝えてくれる人もいるが、そうではない人も少なくない。たとえば、以前訪れたチャラそうなカップルは、マスク越しに大柄な態度でゴニョゴニョと言ってきた。もうワケがわからなかった。
別の男性客もゴニョゴニョと喋るので揚げ物だと思って商品名を復唱したところ、「違います。タバコの47番です」と笑われてしまった。最初からもう少しはっきりと言ってほしい。
3月13日以降は、そんな状況が少しずつ変わってきている。顔の表情がわかるだけでも安心だし、口元が見えるために「客との意思疎通」が断然スムーズになってきたのだ。
<文/浜カツトシ>
―[コンビニ店員の浜さん]―